管理の仕方③

【誘引】
支柱を立てて「立ち作り栽培」をしている場合、茎やつるを、ひもなどで支柱や園芸用ネットに固定することを誘引と言います。
作物が風雨で倒れたり、葉が重なり合ったりするのを防ぐほか、成長の方向を調整する効果もあります。
葉の重なりがなくなれば日当たりと風通しがよくなり、病害虫の防除にもつながります。
地這い栽培の場合は、つるの向きを調整する目的で行います。
茎葉は旺盛に伸びるので、1週間に1回は作業を行って日当たりと風通しを確保しましょう。

〈支柱の場合〉
①花や蕾を傷めないように、花のすぐ下にある葉の下にひもをかける。指が1本入るくらいにゆとりをもたせて、8の字にひもをねじる。
②ひもを支柱に回しかけ、1周させたら結ぶ。
③ 結び目は、茎側ではなく支柱側に作ること。

〈園芸用ネットの場合〉
①ネットの結び目の部分にひもをかけ、少しとりをもたせて8の字にねじる。
②茎にひもを回しかける。
花や蕾を傷めないように、花のすぐ下にある葉の下にかけるとよい。
③ひもを1周させて結ぶ。

〈地這い栽培の場合〉
①伸ばしたい方向に長さ40~50mの竹などを2本、斜めに交差させて立てる。
②その上に、成長の方向を調整したいつるをのせる。
③つるを適宜誘引することで、隣にタネをまいたムギ
のほうへきれいに伸びている。

【追肥】
ぼかし肥を与えて肥料ぎれを防ぐ土作りの際に、あらかじめ投入する肥料を「元肥」と呼ぶのに対し、生育途中で与える肥料を「追肥」と言います。
肥料分は雨などで流失するほか、野菜の成長とともに多く必要になるため、生育期間が長い野菜の場合、途中で肥料えなければ肥料ぎれを起こします。
有機質肥料のなかでは効き目が早く現れるぼかし肥や液体肥料などで、肥料分を補いましょう。
与える肥料の量は野の種類や生育状況によって異なるため、普段からよく観察し、量を加減します。
一度入れた肥料は戻せないため、少なめに与えるのがポイントです。
ぼかし肥が肥効を現すためには、水分が必要です。
施肥後は肥料分を土と混ぜ、水やりすると効果があります。

〈マルチなしの場合〉
①株の周囲に適正量のぼかし肥をまき、土となじませて水やりをする。
〈マルチありの場合〉
①植え床のサイドに溝を掘って適正量のぼかし肥をまき、溝を埋め戻す。
いずれの場合も土となじませてから、水やりする。
ただし、株がまだ小さいうちは、ポリマルチの穴にまく。

〈敷きワラの場合〉
①株がまだ小さいうちは株の近くに、株が大きくなってからは植え床の肩の部分にまく。
敷いてあるワラをかき分けて土を露出させ、適正量のぼかし肥をまく。
②肥料と土を混ぜてなじませ、ワラを元に戻して水やりをする。

〈ニーム油かすの追肥〉
①株の周囲に、適正量をパラパラとまく。
株が大きくなってからは、株の上からまいてもよい。
チツ素分の補給になるほか、害虫対策になることも期待する。

〈液体肥料の追肥〉
①茎葉散布液体肥料、有機100%液体肥料などの液体肥料は、製品規定の希釈倍率に水で薄めて、噴霧器で散布する葉に直接かける。

管理の仕方②

【支柱立て】
株が倒れるのを防ぎ、省スペースにもなる
トマトやキュウリなどのように実がつくと重みで倒れてしまうような果菜類は、支柱を立てて株を支えながら育てます。
こうして、支柱や園芸用ネットを利用して野菜を育てる方法を「立ち作り栽培」と言います。
茎葉を地面に這わせる地這い栽培に比べると、上に向けて茎葉を育てるぶん、狭いスペースで栽培でき、省スペースになります。
誘引やわき芽かきなどの整枝を適切に行えば、日当たりと風通しがよくなり、病害虫予防にもつながります。
支柱の立て方にはさまざまな方法があり、育てる株数や、育てる野菜がど
のように成長するかによって使い分けるのがおすすめです。

〈支柱の選び方〉
スチール製の支柱にはさまざまな長さ、太さのものがあります。
長さは120、150、180、210、240cm,太さは8、11、16、20mmなどの規格があるので、成長後の草丈の高さや実の重さを考慮して決めるとよいです。
たとえば、トマトやキュウリなどは草丈が2mにも伸びて実もたくさんつくため、長さ200cm以上、太さ16mm以上の支柱が適しています。
一方、草丈が高くならないソラマメなどは、長さ120cm、太さ10mmの支柱でよいです。

〈支柱のメリット〉
①風雨で株が倒れるのを防ぐことができる。
②省スペースになる。
③日当たりと風通しがよくなり、病害虫を予防できる。

〈支柱立て便利グッズ〉
・園芸用ネット
キュウリなどのつる性野菜を立ち作り栽培するときに、つるを絡ませるために利用する。
ネットの目の大きさや形はさまざまだが、初心者はひし形の目のものより、10~24cmで目が角形のものが使いやすい。

・ジョイント金具
支柱どうしを固定するのに便利。一般的には麻ひもなどのひもで結んで固定するが、この金具を使えばしっかりと固定できる。
収穫後の片づけもラクになり、支柱の太さに合わせてサイズを選ぶ。

〈支柱立ての種類と方法〉
①直立式
株のわきに、まっすぐに支柱を立てる方法。
支柱を垂直に立てるため、特に2列に植える場合は列と列の間に空間ができ、列間の日当たりと風通しがよくなる。
株数が多い場合には、横に支柱を渡して補強付ると風雨で倒れにくくなる。
②4本支柱
1つの株に対し、支柱を4本立てる方法。
株から15~18cm離れたところに2本ずつ、交差させて支柱を立てる。
たとえば、ナスの場合、まず枝を3本伸ばす3本仕立てにし、4本の支柱を立てて無理なく寄せられる枝を誘引する。
実がたくさんつく野菜でも、しっかりと株を支えることができるが、1本や2本に仕立てる果菜類には不向き。
③3本支柱
1つの株に対し、支柱を3本立てる方法。
株から10cmほど離れたところに頂点がくる正三角形を描く。
その頂点となる位置に支柱を立て、バランスよく束ねる(3本の開
きは120度になるのが理想)、草丈があまり高くならない、ピーマ
ンやトウガラシなどに適している。
④合掌式
2本の支柱を、上のほうで斜めに交差するように立てる方法。
風などで支柱が倒れてしまわないように、交差させた部分に横に支柱を渡して固定し、補強するとよい。
インゲンやエンドウなどつる性のマメ科野菜は、イラストのように地表から120cmのところで支柱を交差させる。
トマトなど草丈が高くなる野菜は、地表から180cmのところで支柱を交差させて高さをかせぐとよい。
⑤スクリーン仕立て(園芸用ネットを張る場合)
キュウリなどのつる性野菜の栽培で、園芸用ネットにつるを絡ませながら育てる方法。
縦と横に支柱を立ててネットを張る。
ネットが風で揺れると株も揺られて傷むため、斜めに支柱を立てて固定する。
ネットも、ひもなどで支柱にしっかりと固定する。
ネットは10~24cm角目のものがあり、キュウリやゴーヤーは18cm角目のものが使いやすい。
⑥スクリーン仕立て(ひもを張る場合)
キュウリなどのつる性野菜の栽培で、縦横に張ったひもにつるを絡ませながら育てる方法。
収穫が終わったあと、園芸用ネットを張っていて再使用したい場合はつるの片づけが大変だが、ひもなら、はずしたつると一緒に処分できる。
ネットを張る場合と同様、ひもが風で揺れると株が傷むため、横だけでなく、縦にも張って補強する。
⑦アーチ式
アーチ状の支柱を立て、左右の上下に横2本ずつ支柱を渡してつなげ、脚にする。
上部中央にも支柱を渡してつなげると、安定感が増す。
キュウリなどのつる性野菜をたくさん育てたいときに適した方法で、アーチを覆うように園芸用ネットを張り、つるを這わせる。
植え床の中央に空間ができるため、列間の日当たりと風通しを確保しやすい。
⑧ピラミッド式
1株に対して支柱を1本ずつ立て、3本まとめて上部をひもで固定する方法。
トマトやキュウリなどのように、実がついて重くなる野菜を少しだけ育てたい場合に適している。
支柱を3本まとめて束ねるので風などで倒れにくいが、必ず互い違いに植える必要がある。
⑨あんどん仕立て
植え床を囲むようにして40~50cm間隔で支柱を立て、ひもを張って囲む方法。
株ごとに支柱を添えて支えるほどではないが、株が倒れたり、広がって通路をふさいだりするのを防ぎたいときにおすすめひもは、草丈が伸びたら段数を増やす。

管理の仕方①

【敷きワラ】
自然の素材を利用したマルチ栽培法の一つであり、「ワラマルチ」とも呼ばれる方法で、古来から行われているマルチ栽培法の一つです。
稲ワラを土の上に敷くことにより、土の乾燥防止、雑草防除、雨による泥はねや肥料分の流失を防ぐ、などの効果があります。
栽培が終わったあとは、土にすき込めば肥料分になります。

ワラを敷く時には2パターンあります。
①植床の上→植え床全体に稲ワラを敷き、土の乾燥や雑草の繁茂、肥料分の流失などを防ぎます。
伸びたつるが直接土に触れないので、病気予防にもなります。
②防草シートの上→透明マルチの上から切りワラを敷きます。
透明マルチを張って栽培する場合、夏には地温が上がりすぎるため、地温を下げる目的で上から切りワラを敷きます。

ワラには「ワラ」と「切りワラ」があり、「ワラ」は園芸店やホームセンターで入手できます。
可能なら、農薬を使用せずに栽培した稲ワラを選ぶとよいでしょう。
「切りワラ」は、稲ワラを長さ30cmほどに切ったものです。
育てている株数が少ないときにおすすめです。

【べたかけ】
不織布などの被覆資材を、植え床の上に直接かける被覆栽培の方法です。土の乾燥防止、防寒、防霜、害虫防除などの効果があります。
草丈が高くならないホウレンソウなどの葉物野菜のほか、マメ類などは、まいたタネを鳥に食べられるのを防ぐために行います。
草丈が低い葉物野菜でも生育の終盤までかけておくことはせず、早めにはずします。
さらに防寒が必要な場合は、うきがけかトンネルがけにします。
マメ類では、成食の妨げにならないように発芽したらはずしましょう。
べたがけ用におすすめする資材が不織布です。
さまざまな素材、色のものがありますが、白色でポリプロピレン製、透過光率90%程度の製品がおすすめです。

〈手順のポイント〉
①植え床全体に不織布を広げる。
②すそをところどころ、留め具で土に固定する。
③上から土をのせてしっかりと固定する。

【うきがけ】
トンネル用支柱で作った骨組みの上から、被覆資材をかける方法です。
植え床の上に直に資材をかけるべたがけと、トンネルがけの中間的なかけ方で、植え床の地表から少し浮かせる程度の高さにします。
害虫対策、防寒防霜、防風などの効果がありますが、害虫対策を目的とする場合は特に、すそにしっかりと土をのせるなどして、すき間ができないように気をつけることが大切です。
株をしっかりと目に当てるため、遅くとも収穫開始の2-3週間前には資材をはずしましょう。

〈うきがけの手順〉
①自在に曲げられるトンネル用支柱の一方の端を植え床の角にさし、植え床の上に、斜めに支柱を渡して反対側にさします。
②同じ要領で、植え床の両端は、補強のために50~60cm間隔で骨組みを作ります。
③トンネル用支柱で作った骨組みの上に、被覆資材をかけます。
④すそをところどころ、留め具で土に固定します。
⑤クワなどですそに土をのせ、最後に足で踏んでしっかりと固定します。

野菜栽培のポイント

【夏野菜】
①栽珸期間が長いので土作りはしっかりと
トマトやナスなどの夏野菜は栽培期間が3か月以上と長いため、しっかりと堆肥と肥料分をすき込んで土作りを行います。
肥料(ぼかし肥)には、リン酸分が多く含まれる果菜類向けの製品を使いましょう。
土の状態によっては、表示より少ない量でかまいません。ぼかし肥と一緒にニーム油かすをまいておけば、チツ素分を補うことができるほか、害虫忌避の効果も期待できます。

②ポリマルチを張って地温を上げる
地温を上げるために、ポリマルチを張って栽培することをおすすめします。
4月初めごろまでに栽培を始める場合は、地温上昇効果の高い透明なポリマルチを使います。
雑草防除効果は期待できませんが、雑草もある程度は許容するのが佐倉流ですそれ以降の時期には、光を通さず、雑草防除の効果が高い黒いポリマルチがよいでしょう。
マルチには、乾燥防止効果もありますトマトやナスなど大型の果菜類は、穴なしのマルチを張って、自分で植え穴をあける方法をおすすめしています。
穴なしマルチは株間を自由に決められるので、さまざまな種類の野菜に幅広く利用できて便利です。
マルチを張ったままにすると、夏には地温が上がりすぎる現象が起こります。
栽培途中ではずす、上からワラを敷くなどして地温の上がりすぎを防ぎます。
夏野菜には寒さに弱いものが多いです。
透明マルチを張り、地温を上げて苗を植えつけるとよいです。

③こまめに管理しながら育てる
つぎ木苗が売られているトマト、ナス、キュウリなどの野菜は、つぎ木苗を利用します。
価格はやや割高ですが、病害虫に強くて育てやすく、収穫量もふえるメリットがあります。
トマトやキュウリなど野菜の種類によっては、支柱を立てて株を支え、茎を支柱に誘引しながら育てます旺盛に茂る茎葉を放任すると、日当たりや風通しが悪くなって生育が悪くなったり、病害虫発生の原因になったりします。
わき芽かき、整枝、摘心などの作業を適期にきちんと行って、よりよい収穫をめざしましょう。
定期的な追肥も大切です。

【秋冬野菜】
①土作りを省いてでも適期に栽培する
寒さに向かう時期の栽培となるため、タネまき、植えつけの適期を守ることが最も大切です。
土作りには2週間~1か月間かかるため、夏野菜のあとに同じ場所で秋冬野菜を育てる場合、逆算すると8月上旬~中旬には夏野菜の片づけを済ませなければならないことになります。
でも、きっと「まだ収穫できるのに、もったいない」と思い、片づけが遅れがちになることでしょう。
そんなときには無理に土作りをせずに、土作りを省いてでも適期の栽培スタートを心がけます。
夏野菜の多くは、収穫中に定期的に追肥を続けており、土の中に十分な肥料分が残っていると考えるからです。

②前作との相性を考えてプランニングする
コマツナやホウレンソウなどの葉物野菜は特に、肥料分が多く含まれる土で育てると、病気やアブラムシフムンが発生しやすくなります。
トマト、ナス、ピーマンなど収穫中も追肥を続けていた果菜類の栽培あと地は避けるか、元肥を入れないほうがよいでしょう。
おすすめなのは、成長に多くの肥料分を必要とするトウモロコシのあと地です。
逆に、栽培期間が長いキャベツやブッロッコリー、ハクサイなどは、トマトなどの果菜類のあと地に植えて、追肥をしながら育てるのがおすすめです。

③害虫発生のピークを避けて栽培する
農薬を使わない有機栽培では、病害虫対策も重要です。
暑い時期は害虫の活動が活発になり、9月中旬以降になると沈静化します害虫が出やすい時期を避けようとすると栽培のスタートが遅れ、育てたい野菜がうまく作れない場合もあります。
「適期を守った栽培が大切」という前段と矛盾するように思われるかもしれませんが、資材を効果的に使うことで栽培のスタートを遅らせて、害虫
の被害を防ぎましょう。
たとえば、ダイコンのタネまきは8月下旬から行うことができますが、9月中旬にまくことをおすすめします。
この時期には地温が下がってきているため、畝に透明なポリマルチを張って地温を上げます。
不織布などの被覆資材の「うきがけ」が、害虫防除に役立ちます。

【冬越し野菜】
①タネまき·植えつけの適期を守る
冬の寒さを無事に乗りきらせるためには、株の大きさが大切です。
特にエンドウ、ソラマメは、寒さが本格的になる前に株が大きくなりすぎ
ると、耐寒性が弱くなってうまく冬越しできない場合があります。
逆に株が小さすぎると、寒さに負けて枯れてしまうこともあります。
タマネギは、大きすぎる苗を植えると春にとう立ちする(ネギ坊主が
できる)可能性が高くなります。
株が大きすぎても小さすぎてもうまく育たないため、適切なサイズで冬越
しできるように、まきどき、植えどきに注意しましょう。
冬越し野菜は、ほかの野菜に比べるとタネまき·植えつけの適期が短いため、タイミングを逃さないことが大切です。

②野菜の種類と地域によっては寒さ対策を
寒さが厳しい地域では、野菜の種類によっては防寒するとよいでしょう。
たとえばエンドウとソラマメは、強い霜や寒風にさらされると株が傷ふしよくふむので、不織布をトンネルがけするか、畝の北または西側に笹竹を立てて防寒します。
タマネギは、霜柱が立つと根が浮き上がり、枯れてしまうことがあります。
株元を足で踏み固めて根の浮き上がりを抑えると、株が安定して球が大きく育ちます株間にもみ殻くん炭をまくのも有効です。
もみ殻の黒色が太陽熱を吸収して地温が上昇し、霜柱を早く解かす効果があります。
冬だからと言って放置するのではなく、こまめに菜園を見回って生育状況を観察し、病原菌の温床となる枯れ葉を取り除くなどの作業を心がけましょう。

③春先にタイミングよく追肥して生育を促す
寒さで地上部の成長が止まる厳寒期は、追肥の必要はありません。
その代わり、寒さがゆるむ2月下旬~3月上旬に追肥を行うと、春以降の株の生育がよくなります。
エンドウやソラマメは花芽がつく前、タマネギやイチゴなどは葉が旺盛に伸び始める前のタイミングです。
肥料分を最も必要とするときに追肥を行うことで、株を大きく育てましょう。
冬越し野菜は、冬期はあまり手がかからない反面、冬越し後の管理作業が目白押し。
適期に作業を行うことが成功のポイントです。

防草シート張り

防草シートの張り方
土の表面をポリフィルムや稲ワラなどで覆って野菜を栽培することを「マルチング」と言います。
ここで紹介するポリフィルムの場合、色にもよりますが、土の乾燥を防ぐ、降雨時の泥のはね返りを防いで病気の発生を少なくする、雨が土に直接当たらないため肥料分の流失を防ぐ、などさまざまな効果があります。
マルチを張った植え床の表面がデコボコしていると、風で飛ばされやすくなったり、くぼみに水がたまって病害虫発生の原因になったりします。
できるだけピンと張ることが大切です。

【選び方のポイント】
防草シートにはシートタイプ、ロールタイプ、穴なし、穴あきなどの種類があり、色は透明、黒、銀色、銀線ストライプ入りなど、さまざまな種類があリます。
穴あきマルチは、穴の間隔にさまざまな種類があるので、育てる野菜の株間に応じて選ぶとよい。色は目的に応じて選びましょう。
トマトやキュウリなどの夏野菜を4月に植える場合は、地温上昇効果が高い透明マルチを、5月の大型連休以降に植える場合は雑草防除効果が高い黒マルチを使用しています。

【防草シートを張る】
①植え床の上に、少しだけマルチを広げます。

②植え床の短い辺のすそを、マルチ押さえで固定します。

③足でマルチを踏んでピンと引っ張りながら、クワですそに土をのせます。

④さらにマルチを引っ張って広げる。

⑤植え床の両サイドのすそを、マルチ押さえで固定します。

⑥サイドにもクワで土をのせていきます。

⑦マルチを植え床いっぱいまで広げます。

⑧0植え床の長さより30cmほど長くなるように、ハサミなどで切ります。
すそをマルチ押さえで固定し、土をのせます。 

⑨すべての辺に土をのせたら、足で土を踏んでしっかりと固定します。

⑩マルチを張り終わったあと、少しずつ引張って固定していくことで、1人でもピンとることができます。

リビングマルチ
生きた植物をマルチとして利用する技術を、「リビングマルチ」と言います。
植え床の外側にムギのタネをまいて地表を草で覆い、土がむき出しになるのを防ぎます。
特に、カボチャなどつるが伸びる野菜を地這いで育てる場合におすすめで、つるがムギに巻きつき、土の表面に安定することで生育がよくなりま
す。
ムギをまく幅は253mとし、そこにつるを伸ばしながら育てます。
育てる野菜と肥料分の奪い合いにならないように、ムギを育てるスペースも土作りを行いましょう。
秋まき用のムギを春にまけば穂を出すことなく枯れ、敷きワラ状になって地面を覆います。
枯れたムギを土にすき込めば、肥料分にもなります。

【タネまき】
①ムギのタネまきはカボチャやスイカの植えつけ後2~3日以内に行い、ムギの初期生育時に雑草に負けないようにします。
ばらまきもできるが、覆土がしやすいすじまきがおすすめです。
列間35~40cmで幅10cm、深さ1 ㎝の幅広のまき溝を作リます。
2㎝四方に1粒の割合で、ムギのタネをまきます。
タネをまいた部分を足で踏みながら、まき進めていきます。

②タネをまき終わったら、レーキなどで全体に土をかけ、たっぷりと水やりをします。

タネまきと植えつけ

タネのまき方
タネのまき方には、①植え床にまき溝をつけてすじ状にまく「すじまき」、②一定の間隔でまき穴を作り、数粒ずつタネをまく「点まき」、③植え床全体にタネをまく「ばらまき」があります。
ばらまきは収穫量が多くなる反面、間引きなどの管理作業がしづらいデメリットがあります。
そのため佐倉流では、野菜の種類によってすじまき、または点まきにして育てます。
植え床の使い方に、植え床に対して直角にまき溝を作る「横切り作条」という方法があります。
複数の野菜を少しずつ、すじまきにする場合に便利です。

【タネの特徴と種類】
・色付き
タネには色がついていることがあります。
これは、品種の識別や、農薬処理が行われていることを示すためです。
タネにはカビの胞子やウイルスなどがついている場合があり、これが原因で病気に感染してしまうことがあります。
このような病気の被害からまだ幼い苗を守るため、品種によっては農薬などを使って殺菌処理が行われており、タネ袋の裏に記載されている。
成長した野菜を食べるぶんには、安全性にまったく問題はありません。

・加工
タネには、特殊な加工がされている場合もあります。
写真は、吸水力を高めて発芽をよくするために、粉状の混合物でタネを覆ってまきやすく加工された「ペレット種子」 ほかに、かたい皮を取り除
いて発芽しやすくした「ネーキッド種子」、病害虫の被害を受けにくくするためにコーティングした「フィルムコート種子」などがあります。
これらも、成長した野菜を食べるぶんには、安全性にはまったく問題はありません。

【タネまきの前に】
タネまきの前には植え床の表面を平らにならし、クワの背などでしっかりと鎮圧しておきましょう。
発芽しやすくなるほか、発芽がそろいやすくなります。
ゴボウ、ラッカセイ、クウシンサイなど皮がかたいタネの場合、一晩水につけてからまくと発芽しやすくなります。

【タネをまこう】
①土の表面を平らにならして鎮圧したあと、木の板などで深さ、幅ともに1cmのまき溝を作ります。
深さを均一にすることで、発芽がそろいやすくなります。

②溝に1粒ずつタネを置いていく。指先をひ
ねるようにするとよい。

③小さなタネの場合はタネまき用グッズを使って、1粒ずつ慎重にタネを
落としていく。

④・大きなタネ
株間と列間を測り、瓶やコップの底を押し当てて、深さ1㎝,直径5~60mのまき穴を作ります。
穴の中に等間隔で数粒ずつ、タネをまきます。

・小さなタネ
先に列間を測って木の板などで軽くすじをつける次に株間を測りながら、ペットボトルのキャップなどを土に押し当てて、深さ1cm,直径2~3cmのまき穴を作ります。
穴の中に等間隔で数粒ずつ、タネをまきます。

⑤マルチの穴に瓶やコップの底を押し当てて、深さ1cm、直径5~6cmのまき穴を作リます。

⑥穴の中に等間隔で数粒ずつ、タネをまきます。

⑦タネまき後は必ず土をかぶせ(覆土)、手のひらでしっかりと押さえる(鎮圧)、しっかりと鎮圧することは、1回の水やりに匹敵するとも言われるほど重要な作業です。

⑧覆土と鎮圧が終わったら、たっぷりと水をまきます。
タネは、一度吸水したあとで水ぎれすると死んでしまいます。
きちんと発芽させるためには、多すぎると思うくらい、たっぷりとまくとよいでしょう。

植えつけの仕方
野菜作りでは「苗半作」と言われるように、苗のよしあしが収穫を大きく左右します。
よい苗を見極めるポイントと、正しい植え方を覚えましょう。
苗が傷まないように植えつけには日ざしや風が強い日を避けるのがおすすめです。
苗にはポリポットに植えられた「ポット苗」、畑から掘り上げた「掘り上
げ苗」などがあります。
イモ類はタネイモなどを、ニンニクやワケギは「タネ球」と呼ばれる球根を植えつけて育てます。

【種類】
・トマトやナスなどのナス科野菜、キュウリやスイカなどのウリ科野菜を育てるときには、つぎ木苗を利用するのがおすすめです。
つぎ木苗とは、病害虫に強い野生種などの台禾に、育てたい栽培品種をつぎ合わせた苗のことを言います。
価格は少し割高だが、病害虫に強い、低温でも育ちやすいなどのメリットがあります。
写真はスイカのつぎ木苗で、台木と栽培品種、計2組4枚の双葉があるのが特徴です。

・ニンニクやワケギなどは、タネ球と呼ばれる球根を植えつけて育てます。
ほかにも、ジャガイモやサトイモはタネイモ、ショウガはタネショウガと呼ばれるものを植えつけて栽培をスタートします。

・長ネギやタマネギの場合、畑から掘り上げたものが束の状態で売られていることが多いです。
これを「掘り上げ苗」と言います。
葉の色が濃く、勢いのあるものを選びましょう。

【苗を植える前の準備】
①苗を水につけて吸水させておくことで、植えつけ後の水ぎれを防いで根の活着をよくすることができます。
バケツに深さ10mほど水を入れ、ポット苗をつけてて底穴から吸水させます。
②十分に吸水されると、ポットの縁から水が上がってきます。
こうなるまで数分間つけておきます。

【苗を植えよう】
①株閰と列間を測り、移植ゴテで植え穴をあけます。
穴は、ポリポットよりひと回り大きいくらいが良いです。

②ハス口をはずしたジョウロの注ぎ口に手を添えて、植え穴にたっぷりと水を注ぎます。

③完全に水が引くまで待って、ポリポットから苗を取り出し、植え穴に入れる周囲の土を寄せて土と根鉢を密着させ、手で軽く押さえます。

④タネイモやタネショウガなどを植える場合におすすめの方法です。
植え床の中央に、クワで幅10cm、深さ10~15㎝ほどの溝を掘る溝は、ジャガイモでは深め、ショウガでは浅め、サトイモではその中間というように、野菜の種類によって深さを調節します。

⑤株間を測りながら、溝にタネイモなどを置いていきます。
写真はタネショウガを植えつけているところです。

⑥上から土をかぶせ、平らにしてから植え床を作ります。

土作りの基本とポイント

土はふかふかにしましょう
植物がよく育つのは、区立化したフカフカの土だと言われます。
堆肥などの有機物が土の中で微生物の働きによって分解されると、腐植と呼ばれる物質ができます。
これが土の粒どうしをくっつけて、土の団粒化を促進します。
植物の太い根は団粒のすき間を通ってより深く伸び、細い根は団粒の中にある水分を効率よく吸い上げ,水分と酸素が十分に供給された根により植物が丈夫に育つのです。
しっかりした土作りで、フカフカの土壌をめざしましょう。

石灰はまかない場合もあります
一般的に、石灰は土壌の酸度調整のために散布します。
多くの野菜はpH6.0〜6.5の弱酸性の土でよく育つのですが、雨が多い日本では降雨のたびに石灰(カルシウム)分が流失して土が酸性に傾きがちになるからです。
当サイトのやり方では、石灰はあくまでも土壌のミネラル分補給のために散布します。
土壌のpHは土地や環境によって異なるのが当然であり、そこにすむ微生物の生態系をできるだけ乱したくない、という考えからです。
有機栽培を始めて間もない畑では作付けの1か月前に散布しますが、数年間、堆肥(pHはほぼ中性)を使って野菜作りをしていた畑では散布は不要です。

肥料をましすぎないようにしましょう
野菜は、肥料をたくさんまけばよく育つというわけではありません。
肥料分のなかで大量に必要で、最も重要な元素の一つにチッ素があります。
作物はチッ素をたくさん吸収すると葉の色が濃くなり、成長が早くなりますが、あればあるだけチッ素を吸収する性質があるので、チッ素過多の状態にも陥りやすくなります。
チッ素過多の状態は生殖のための成長を抑制するため、トマトなどの果菜類では果実の収穫量が減ります。
また、植物の処理能力を超えてチッ素が吸収されると、チッ素はアミノ酸や硝酸態チッ素の状態で植物の体内にとどまりこのアミノ酸に病害虫が寄ってくるため被害を受けやすくなります。
また、硝酸態チッ素の過剰な集積は、野菜の味を悪くし、人の健康にも悪影響を及ぼします。
適正な量をまくように心がけましょう。

土は耕しすぎないようにしましょう
森林の土壌に学ぶ土作りでは、ヒー微生物のすみかをなるべく壞さないよう、土を耕しすぎないことを基本とします。
しかし、肥料分を補う必要がある畑では、土と肥料分を混ぜるた
めに表面を少しだけ耕します。
当サイトでの施肥量は、深さ15㎝のところの土まで施すことを前提に使用量が算出されているので、耕す深さは15㎝を目安にすることをおすすめします。

植え床を作りましょう
野菜のタネをまいたり、苗を植えつけたりするために土を盛り上げた、いわば野菜のベッドを「植え床」と言います。
土を盛り上げることで水はけがよくなり、通路と栽培スペースの区別がはっきりするなどのメリットがあります。
一般的には10 cmほど土を盛り上げて作りますが、水はけが悪い場所ではそれより高く、水もちが悪い場所ではそれより低くしましょう。

実際の手順
①タネまき,植えつけの1か月前に栽培スペースを測る。
有機栽培を始めて日が浅い畑では、有機石灰100g/mを全体にまんべんなくまく。
マメ科野菜は、堆肥も元肥も不要。
土作りはせずに作付けする。

②石灰と土がよく混ざるように、深さ15cmのところまで耕す。
この状態で2週間ほどおいて、しっかりとなじませる。

③タネまき·植えつけの2週間前、堆肥150/mと、ぼかし肥などの有機質肥料を区画全体にまく。

④タネまき·植えつけの2週間前、堆肥1.52/mと、ぼかし肥などの有機質肥料を区画全体にまく。

⑤レーキなどで土の表面をならしたら、周囲の土をすくって内側に盛り上げ、植え床を作る。

⑥レーキなどでもう一度植え床の表面を平らにならし、クワの背などで植え床の表面を押さえて鎮圧する。
このまま2週間おいて肥料分をなじませる。

肥料の選び方

堆肥や有機質肥料を使って地力のある畑をめざす
当サイトでは、堆肥として野菜の剪定くずや収穫後の残渣などを混合して作る落ち葉堆肥や市販のバーク(樹皮)堆肥などを使います。
家畜ふん堆肥などの動物性堆肥をなるべく使わないのは、「植物体の構成元素は植物体にある」という考えからです。
また、有機物などに含まれる炭素(C)とチッ素(N)の比率(C/N比)は、植物性堆肥のほうが動物性のものよりも炭素比が高いため、より森林の状態に近い穏やかな分解をすると考えます。
ただし牛ふん堆肥は、草食動物である牛のふん尿と飼育床のワラを混ぜたものが原料で、植物性堆肥に似ているため例外的に使用することもあります。
肥料は、有機物を原料とした有機質肥料を使います。
主な有機質肥料には、油かすや鶏ふん、魚かす、骨粉などがあります。
これらは化学肥料に比べ、効果がゆっくりで肥効が長もちする反面、肥料の三要素(チツ素、リン酸、カリ)のバランスが悪かったり、分解の途中で熱やガスが発生して発芽障害や根傷みを起こしたりすることもあります。
その場合は、あらかじめ数種類の有機質肥料をバランスよく配合した「ぼかし肥」を主体に土作りを行います。
ぼかし肥は、肥料分のバランスがよいことに加え、発酵済みなので芽や根を傷める心配がなく、肥効が安定しているという利点があります。
堆肥やぼかし肥は自分で作ることもできますが、発酵の過程で臭いが発生
するほか、材料を準備したり、こまめに切り返したりする手間がかかるので、初心者は市販品を使用するのが便利です。

堆肥は、完熟したものを選びましょう!
未熟な堆肥を使うと悪臭や病害虫が発生したり、土に投入してから分解が始まって野菜の根が傷む原因になったりします。
必ず完熟のものを使用しましょう。
落ち葉堆肥やバーク堆肥の場合は、葉などの形があまり残っていない製品を選ぶのがポイントです。
購入した製品が未熟だった場合は、袋に入れたまま放置するか、畑の外に
穴を掘って埋めておき、臭いが抜けてから使います。

微生物資材はパッケージを確認しましょう
土壌改良のために使用する微生物資材は、いろいろな有効微生物を胞子の
状態で製品化するなどした土壌改良剤をはじめ、製造過程で、有機物を有効微生物に分解させた特殊肥料など、さまざまな製品が販売されています。
前者は緑肥やワラ、もみ殻、植物性堆肥などの有機物と併用しますが、後者をチッ素分の多い有機物(米ぬか、油かすなど)と併用する場合は、ガス害が発生することもあり、注意が必要です。
購入前にはパッケージの表示を確認し、使用方法や効果、肥料成分などの表示をよく見て選びましょう。

有機100%なのかを確認しましょう
当サイトでは元肥にも追肥にも、あらかじめ数種類の有機質肥料をバランスよく配合したぼかし肥を使います。
かし肥のなかには「有機配合肥料」「有機入り」などと表記され、化学肥料と有機質肥料の両方が含まれる肥料も販売されています。
有機100%かどうかをよく確認してから購入しましょう。

ぼかし肥は野菜の種類によって使い分けましょう
ぼかし肥は、天然素材のため肥料の要素バランスは限られますが、チッ寿
リン酸、カリのバランスがとれているものは果菜類,根菜類の元肥向け、チッ素分が多いものは葉菜類の元肥や野菜全股の追肥向けなど、用途に適したものを選びましょう。
油かすや微生物資材など、ほかの有機質肥料と併用する場合は、その資材の肥料の含有量を考慮してぼかし肥の種類や量を決めることも大切です。肥料バランスはN(チッ素)ーP(リン酸)-K(カリ)で表され、N-P-K-6.0-5.1-2.7(100g中に何パーセントずつ肥料分が含まれるかを示す)のように、分析例がパーセントでパッケージに記載されています。

栽培技術の基本

野菜栽培の基本は 「作型」にあり
野菜には「在来種」「地方品種」と呼ばれ、その地域で古くから作り続けら
れてきた品種があります。
これらは、その地域の気候や土地の条件に適応したものが多く、その地域では品質がよく生産性も高い優れた品種となっています。

その多くは、長年の栽培による採種の繰り返しによって育成され、その地で編み出された栽培管理技術と結びつき、伝承されてきました。
そこでは適温、適土など気候風土や季節性に関係する「栽培環境
」、その土地に適応する「品種、水やり、施肥、暑さ·寒さ対策、病害虫防除といった「栽培管理技術」の3つの要素が一体となって一つの栽培の型になっています。
このように季節的な特徴があり、はっきりと認識できる栽培のパターンを「作型」(さくがた)と言います。
栽培期間中の気候や、栽培地の土壌に適した作り方のことです。

現在では、多くの野菜が1年中栽培できるようになっていますが、これは、タネまきや植えつけの時期を少しずつずらせばできる、という単純なことではありません。
まず、季節によって変化する栽培環境を考慮して品種を選びます。
品種は早晩性、耐暑性や耐寒性などの温度、花芽分化(花芽ができること)に影響する日の長さへの反応などを重視します。
そして、栽培環境と、品種に適した栽培管理技術を工夫します。

作型は、野菜を育てるうえで最も基本的で重要な考え方です。
有機栽培ではさらに、輪作、間作、混作など、前後または同時に栽培する野菜との関係なども大切で、作型技術と輪作技術の融合が重要な基本技術になります。
本ブログでは家庭菜園での露地栽培を基本とし、初心者でも無理なく育てられる作型を紹介していきたいと思います。

輪作により元気な野菜を育てる
基本的に農業では、作物を同じ土地で繰り返し育てます。
その際に、異なる数種類の作物を一定の順序で繰り返し栽培することを「輪作」、同じ場所で夏つの作物を毎年繰り返し栽培することを「連作」と言います。
繰り返し同じ作物を栽培すると、その作物が多く吸収する栄養分が減って
土壌中の養分バランスが崩れたり、その作物を侵す病気や害虫がふえたりして、病気や生理障害などが発生するこの状態を「連作障害」と言います。
連作障害は、連作でなくても栽培の頻度が高い場合や、遺伝的に近い野菜を続けて育てた場合にも起こることがあります。
例えば、トマトのあとに同じナス科のナスやジャガイモを育てると、トマトを育てたことと同じ結果になります。
そのため、同じ「科」の作物は、同じ種類の作物と考える必要があります。
輪作には、病害虫の発生や特定の雑草の繁茂を抑制するメリットがありま
す。
また、作物は種類によって根の張り方や広がり深さなど、土壌中の栄養分の吸収バランスなどが異なるため、異なる種類の作物を育てることで、土壌微
生物を多様化し、土中の病害虫の増加を抑える効果も期待できます。
結果として、農薬や化学肥料に頼らずに、病害虫や生理障害を回避することにつながるのです。
下記の表を参照して、主な野菜の「科」と栽培を休んだほうがよい年数の目安を考慮し、栽培前に作付けプランを立てましょう。

害虫の少ない時期に栽培する

栽培時期をずらして病害虫に遭遇させない

有機栽培では、自然界に存在しない化学農薬は用いません。
そのため、病害虫の被害が出てもすぐさま退治することが難しく、一般の畑に比べるとはるかに厳しい条件で栽培することになります。
そこで本ブログでは、予防的な対策を重視しています。
まず、病気や害虫が出やすい時期をなるべく避けて栽培します。
野菜が育ちやすい春や秋は、それをエサにする害虫も多く発生しますが、栽培時期を少しずらすことで被害を少なくすることができます。

たとえば、冬どりダイコンは8月下旬ごろからタネまきができますが、だからといって8月下旬にタネをまくと、害虫の活動がまだ活発なため、害虫の格好の餌食になってしまいます。
そこで、9月下旬にタネをまきます。
このころは気温が下がるので、生育が遅れないように防草シートを敷く必要がありますが害虫の数も減るため、被害を少なくすることができます。
こうした工夫とひと手間で、農薬に頼らない栽培が可能になるのです。

食品や植物由来の忌避剤を活用する

前述のような予防策を講じても、病害虫の被害を完全に防ぐことは難しいものです。
そこで、被覆資材や障壁作物天敵などの活用を視野に入れて栽培します。

そして輪作を基本とし、間作,混作(数種類の作物を同時に栽培すること)、コンパニオンプランツなどの工夫も複合的に取り入れています。
作物の生命力を引き出すには、殺菌力のある酢や食品,植物由来の抽出液などの農業資材も便利です。
これらは、化学農薬に対して「自然農薬」「天然の農薬」などとも呼ばれ、なかには伝承農法として古くから活用されてきたものもあります。
速効性はありませんが、タイミングよく散布することで病害虫によるダメージを減らすことができます。